代表野口_黒バック 「今週の一言(いちげん)」第246話売上UPにつながる電話活用術

Fromノグチ

 

お客様の社長さんと話をしていた時、携帯電話が鳴りました。

 

「あっ、ごめんね。従業員だ。ちょっと聞いてからね。」

打ち合わせの途中で電話が鳴りました。

社長がポケットから取り出したのは、いわゆるガラケイの携帯です。

 

「…、あ~、そうなんだ。…あ~、そこね…、わかったよ。」

「…」の部分、だいたい15秒から30秒くらいでしょうか。

黙って、待っていると長く感じますが、全部で3分程度かな。

 

「あ~、助かったよ。教えてくれて、ありがとう。」

そう言って、社長は静かに電話の通信が切れるのを待っています。

「ん、切れた。」

 

従業員からの話を、携帯電話で聞く理由

「お~い!誰か、これ【運転中】にしておいてくれやー」

社長室から事務室に声をかけると、

女性事務員が、さっそく携帯の【運転中】セットをして、社長の机に置きました。

 

「うちのN工場にいく高速道路の料金なんだけどね。

高速道路の出口を、ちょっと違うところから出たほうが、安いし早くつけるって話。

他の従業員からも聞いていて、俺も知っていたけど、とにかく聞かなきゃね。」

 

社長のガラケイは、会社従業員からの連絡が入ります。

 

もちろん、社長は運転中は決して電話に出ない。

安全運転しているので、(――只今、運転中ですーーー)

と流れると、みなこれは仕方がないと電話を切ります。

 

でも、つながったら、それはどんな案件であれ、「聞く」のが社長の流儀です。

 

「だってさ、理由は簡単だよ。

話を聞いてやらないと、人が辞めっちゃう、売上あがんない、

俺気づいたの、どんなに諭しても、力ずくで教育しても、6億行かなかったもの」

 

売上アップには、4人目の聞き役が必要

しばらく停滞していた売上が上がりだしたのは、

社長が、携帯電話片手に、遠方のお寺詣りに出かけだしてからです。

これって、お寺のご利益?

 

俺の話を聞いてないぞ、奴らは!

お寺詣の道すがら、従業員への不満やら社会保険問題やら、一人で車中演説です。

 

はい、と言ったのに、わかってないじゃないか!

何度俺にどならせたらわかるんだ!

腹の虫がおさまらない、

 

でも家族だって奥さんだってもう聞いてくれない。

“また~ぁ?”でお終い。

しょうがない、一人で怒っているしかない。

 

さて、どんなに怒っても2時間もしゃべり続けられない。

怒るにも体力がいるし、怒る理由が続かない。

不思議なことに、怒る理由は、時間がたつとあんまりたいしたことではなかったり。

 

帰り道、自分ができることはなかったのかな?

ふつふつと考えてみる。

出てきた、出てきた、解決策!

俺でない誰かに聞いてもらいたい!俺は、しゃべりたい!

 

そうか、従業員だって、俺とおんなじだ。

俺は、一人になれる。

彼らは家ではしゃべれない、周りには上司がいて、お客さんがいる。

 

おれが、4人目の聞き役になればいいんだ。

気づいたんだよ。

どのみち、俺とおんなじで、諭したって、聞くわけない。

 

「だからさ、本当に聞ける時間って短くしてあるの。

あと、全部“運転中”だ。」

 

経営者の皆様、「聞く」工夫をしませんか?

聞き方を工夫すれば、売上が上がります。

これは、保障できます。

 

―ノグチ

 

P.S.

従業員の目線に立つ、悩みに寄り添う、その上で指導する、難しいですね。

ついつい、自分の知識や知恵を披露したくなってしまいます。でも、それをすると従業員(売上)は逃げていきます。

ひと通り聞く、「3分間聞くのだよ」これが経営者用売上アップスローガンです。