代表野口_黒バック 「今週の一言(いちげん)」第74話社長、経理から一ヶ月後の預金算高予想を報告してもらっていますか?

7月20日

 

「ウチの経理は、税理士さんに見てもらっていています。

試算表は税理士さんのところで作ってもらっています。経理は、税理士事務所の担当者によく相談していますね。

だけど、一ヶ月後の資金予測なんて誰も教えてくれないから、消費税や賞与は、支払の時になってから、通帳をみて資金移動してと、銀行業務に追われるんですよ。

税理士さんは、経理の指導をしてくれますが、税金の話が中心ですからね。」

 

7月は、ボーナス時期です。

「賞与が○月分」と新聞で報道されれば、当社でも人並みに出したいと、頑張った社長さんが多くいます。

 

社長さんにとって、賞与は、従業員にやる気を出してもらう大切な人事案件です。

賞与は出した、次に待っているのは、社会保険に税金の納付、出金が重なります。

 

賞与を出す時期に急に売上が上がる、現金が入ってくる商売ならいいのですが、皆が皆そんな都合のいい商売ではありません。

 

6月下旬になると、社長さんの机上にはボーナス一覧表が置かれていました。

例年どおり、経理担当者は、前年のボーナス支給一覧に新入社員の名前と月給を書き込んで、ボーナス一覧表をつくり、社長の机上へ置いたのです

 

ボーナスの金額を決めるのは社長の大事な仕事です。

「○月分で一律」としないのは、社長さんが、従業員一人一人の成果を何とか反映したいと思ってのことです。

その分、時間がかかります。

 

やれやれ、やっと一通り書き込んだと思ったら、経理担当者から、「税理士事務所から早く報告してほしいと連絡がありました。早速持ち込みます。」

社会保険の報告やら、源泉所得税の計算やらと、難しい計算があると言われました。

 

数日後、賞与の計算が出来ましたと報告をもらいました。

と同時に社会保険の納付額が増えること、源泉所得税の納付書が届いたこと、加えて消費税の納税もあることなど、支払額が増える報告です。

 

中小企業の社長の仕事は、営業一番という方がほとんどです。

社長の売り込み技術というか、人脈というか、営業で商売が成り立っています

この営業に一番悪い影響を与えるのが、支払不安です。

 

「お金」ほど人の行動に影響を与える代物はありません。

 

だいたい利益も分からないのに、どれほど賞与が払えるのだろうか?

払ったら払ったで、新人社員からボーナス退社が出ないだろうか?

税金は10日だって?

その上に、今月の請求書の支払は、どうなるんだ?

社会保険も賞与の分増えるんだろう?

 

口には出さねど、頭の中では不安が渦巻きます。

経営で先立つものは、「お金」です。

社会の役に立つのが、会社の目的ではありますが、実現するには、お金が先です。

 

不安になると、人はモノを買わなくなります。

言い換えると、不安になると、社長は人にモノを売れなくなる、のです。

闘うべきか、逃げるべきか、どう行動すればいいのか分からなくなって、じっと金縛り状態が続く、これが不安です。

 

中小企業が生き残るには、社長さんがネガティブな状態にならないで、営業に邁進出来るように、社長さんの不安原因を取り除くことが何よりです。

 

解決策は、経理から「翌月末の予想預金通帳残高」を報告してもらう事、です。

 

予想預金算高が、自社の基準資金より多ければ、なにより安心です。

あとはこれから一ヶ月営業に邁進するだけです。

 

残念ながら、予想預金算高が、基準に至っていなければ、資金の手当てを指示することが社長さんの仕事優先順位一位になるワケです。

 

多くの中小企業で、経理の仕事が、税理士事務所の下請けになってしまっています。

税務署に指摘されたくないと、交際費や会議費・交通費の領収書を帳簿に記載したり、消費税がかかっているかいないかを綿密にチェックしたり。

 

社長さんが経理からほしい情報は、社長の交際費のチェックや領収書一つ一つに消費税がかかっているかどうかではなくて、来月の入金予想や、入金がサイト通りに実行できていない取引先の情報、支払で大口の資金が必要かどうか、です。

 

税理士さんは、来月の会社の資金予想はできません。

なぜなら、税理士さんが行う税金の計算には、未月情報はなし、過去の情報だけ。

一ヶ月遅れで提供される試算表は、正確な過去の数字です。

 

社長さんは、6月下旬に7月の資金予想がほしかったなあとつぶやきました。

第一、我が社の基準預金算高をどう決めたらいいのか?それさえ分からない。

 

そこから、ノグチは支援を始めました。

 

来月の資金予想をするには、入金予定が必要です。

支払予想は、過去の流れから推測できますが、入金予定を計算するには、現在の販売成約件数や成約単価、見積書の発行件数、入金サイトなどなど、現在の現場の数字が絶対に欠かせないのです。

 

今まで 経理担当者は、営業情報の全てを知らなくとも仕事は済んでいました。

何気なしに電話を取って、営業担当に電話を回す、それで、営業を補佐していると思いこんでいます。

 

内部の電話受信作業も請求書の発行作業も小口現金精算だって、営業の一環だと経理担当者に理解してもらうには、時間と根気が必要です。

「営業って、みんなでするんですね。」と言う言葉が出るまで訓練するのです。

 

たかだか一ヶ月先の資金予想と思う無かれ、この仕組みは、内部にいる従業員を営業のフォロアーにする事で、強力な顧客のフォローアップシステムとなります。

 

社長さんが、来月末の予想預金算高を経理から報告を受ける仕組みは、社長さんが営業に邁進できる体制つくりの一大条件です。

 

資金の心配なく、思う存分営業に駆け回って、売上を上げる!

営業に力を入れたい!とお考えでしたら、お金を観る仕組みと内部のフォロー体制をしっかり創ることが、大事です。

経営は、はじまりも終わりもお金で繋がっています。