代表野口_黒バック 「今週の一言(いちげん)」第151話誰だって年老いたときに、お金があった方がイイv

 

2週間ほど前、父が病院に急送されたと弟から連絡がありました。

 

「とにかく、今会っておいた方がイイと思うよ。

近くの病院で応急処置はしたけどオレは大きな病院の方がイイと思う。

何せ消化器外科の専門医がいるのは、病院へ搬送してもらう。

そこに来てくれ!」

 

私の父は、大正1411日生まれ、93才。(生まれた日は本人は解らない笑)

とにもかくにも高齢です。病気になったらその先は…。

早く、病院に行かなくてはならない。

 

飛行場に着くと、妹が待っていてくれて、病院まで一緒に移動します。

医師が診断した病名を書いた紙を渡されました。

「癌」か~。

 

現実の話し…

病院に着くと、そこには点滴の袋をつけた父が寝ていました。

点滴の管は、足に。目は開けても、私は誰だか解らない。仕方ない、「あなたの娘」と告げます。手でしきりに手首に巻いた認識票を外そうとしています。

正直、認知症です。次第に私は現実的になっていきました。

 

父の現在の収入は年金。

たぶん、病院の入院費は支払える。しかし、施設に入っている母の施設費用をまかなっているので、足りなくなるのではないか。

預金は、ある。しばらくは大丈夫か?

 

お金の価値観は、父と一緒。

お金に対する考えで心を乱さない様にすることは、私にとって大事な事です。

お金がドンドン減っていく状況になると、私は苦しくなってしまいます。

減る…心が落ち着かなくなるのです。

 

この価値観を私は父から受け継ぎました。(笑)

「『いらっしゃいませ』は、お金に頭を下げている」と私に教えたのは父です。

たぶん、父も意識のどこかで、自分が病院のベッドに寝ているとお金は大丈夫か、不安になると思います。

 

不安が高まると、この人はどんな行動をとるのか、予想がつきます。

案の定、看護婦さんの目を盗んで、ご丁寧に包帯を外し、点滴の針を足から抜き、綺麗にたたんでベッドにおいて、立ち上がりました。

 

振る舞いに影響を与えるもの

翌日、介護施設にいる母を見舞うと、母は落ち着いて父の病状にうなずきました。母とツーショット写真。スマホは便利、父に見せます。なにげに弟がオレより母親の年金の方が多い、悔しいな~、施設に入るも金次第。」とはなしました。

 

何も話さない父が、スマホ画面を見て少し微笑んだように、思いました。

 

PS.

あれから、3週間、やっと重湯を口にするようになった父の快復力には、脱帽!

それでも、元気に一人で生活する事はもう無理です。今後の父を支えるのもお金なんです。