代表野口_黒バック 「今週の一言(いちげん)」第251話“釣った“のか”釣れた“のか

Fromノグチ

 

羽田沖で、ハゼ釣りをした話

 

「僕の親戚が、ハゼ釣りの船やっているんですよ。」

(え~、そんなこと、知らなかった。)

「いや、僕も知らなかった。お袋がね、挨拶に行くって言ったのでついてったらそうなんですよ。」

 

仕事仲間の一人が、浜松町の先からでるハゼ釣りの船主を知っている。

そんなら、みんなでハゼ釣りしようじゃないの。

でもそれって、高いんでしょう?

天ぷらとお酒で、釣られた社員

居酒屋でわいわい話している時、仲間の一人から出た話に花が咲いてとうとうハゼ釣りに出かけることになりました。

釣りが好き、釣りの腕があるから、今回はハゼ釣りという話ではありません。単に飲み会の延長…船の上でも飲めるらしいよ(本当に宴会できます。)が本音

 

しかも、勝手な休日に、船一艘貸し切りです。

となるとお金がかかる。

それなら会社の行事にしてしまおう。

 

そこで社員家族ぐるみ参加の「ハゼ釣り大会」

会社の福利厚生行事と相成りました。

釣りに興味があり船に乗っても大丈夫な10歳以上70歳未満の面々18名が集まりました。

 

寒さが迫ってくる晩秋の羽田沖。

見上げれば真っ青な空、真っ白な飛行機が腹を見せて飛んでゆきます。

日差しはあったか、風は寒し、です。

 

さてして、ハゼ釣りどころか釣りなんて初めてという女・子どもが半数の釣り船です。

そりゃ~、たいへん!!

まずエサがつけられない。

 

「きゃー、気持ち悪い。」と、女の子が叫ぶと

すかさず おじさんが、「僕がつけてあげるから。」(^^

「僕のも、つけて」という息子には、冷たかったりして、、、

 

えらいもんです、釣りができる人は。

ちょっと広い板場で、自分の竿先を見ながら、周りの4人くらいの餌付けをし、

「ほら、竿先みてて、引いていない?」と釣り方指導をしてくれます。

 

釣り船を紹介せてくれた御仁は、ヨシ!釣るゾウ!と船の舳先に陣取りました。

私は、操舵室の横です。

釣れるためには、船頭さんに聞くのが一番。

 

船頭さんが教えてくれました。

舳先は上下に揺れるから、シャクル釣りにはいいけれど、底魚の釣りには向いてない。

 

「カレイは、砂地に潜っているから、底に針先がついたら、、、」と

操舵室の中から、海の中の魚の動きを教えてくれます。

「釣ったか、釣れたか、は違うんでね。」

「釣った」か「釣れたか」は、違う

海の中を想像して、釣る。

相手をよくよく観察して、その行動の一歩先を想像して釣る。

 

売り場でもそうですよね。

売り場はお客様が動きまわる海のようなもの。

 

何に興味をもって、手に取ってみたいと思うか?

そもそも、どんな場所が好きなのか、

ドン・キホーテが好きな客なのか?伊勢丹が好きなのか?はたまたディズニーランドがお気に入りか?

 

ふと気づくと、釣りたいお客様を決めてない。なんてことがあったりして。

買ってくれれば、誰でもいい?

そうあなたが思っていれば、相手だってそう思いますよ。

 

「ちっとも釣れないから、もういい!」と竿を投げ出した中学生の子

その子のお父さんが言いました。

「ホラ、あのお姉さんの竿にだって、ハゼがかかったじゃない。それはこの船の周りがいい漁場だってことなんだ。彼女に釣れた。だから君にも釣れるよ。」

 

晩秋の休日、ハゼ釣りにはつきものの天ぷらで船上宴会です。。

「なんで、舳先で陣取った俺がビリなの?」

“釣った”には、お相手つまり釣りたい魚を知ることが、何より大事です。

 

―ノグチ

 

 

P.S

秋限定の月見バーガーに、食指が動いたら、ワタシ、釣られているってことですよね。私が釣られる餌は、「限定」なのか「秋=季節」なのか、価格より考えるべきはこっちかも