代表野口_黒バック 「今週の一言(いちげん)」第167話消費税増税前に中小企業がすべきこと

 

FROM 経理の現場から

 

2ヶ月ほど前、新規開拓が得意な社長さんが、ちょっと困ったことになっていました。

 

新しいお客様も増やしたいし、対応できる社員も増やしたい。

入社3年もすれば、日常業務はできているのに、新規が増やせない社員ばかり。

お客様からも、たまには社長が来てよ、話が通じなくて…、と連絡が入ります。

 

新規獲得と消費税の微妙な関係?

「ノグチ先生、相談があるんだけど~」と、社長さんから電話が入ってきました。

 

社長の目的は、「売上を上げたい」

 

新規を増やせる社員がすぐに育つことは難しいから、そこを何とかできる方法は何かと?

 

業界の勉強会に出かけたところ、クラウドサービスというパンフレットがありました。

今どきの従業員には、パソコンで情報を見せないとダメじゃないかと助言されました。

 

「業界の業務を標準化する、いいね、お客様からのクレームをなくす、いいね。」

でも、俺には“標準化”もクラウドもどんな意味になるかわかんない。

PCは一人一台持ったけれど、なぜそれで売上が上がらないか、分からない。

 

 

そこで社長さんに質問しました。

今まで従業員が、取り逃していたと社長が思う売上は?

 

「ウチの業務は住宅関連サービスだから、新規の住宅工事をしていたら、すかさず営業してほしいのだけど、ウチの従業員はしないんだよね。」

 

今度は、従業員のみなさんに聞いて回ります。

営業が難しいと思った理由はな~に?

 

「料金が決められないんです。確かに全部の情報をパソコンで見せてもらっているけど、

沢山ありすぎて、僕らには、どの事案がどの料金に当てはまるのか分からないんです。」

 

確かに!PCの資料から料金を書き出していくと、50とおり以上の金額が見えます。

一定の括りで金額が分けられるモノの、細かく端数が違っています。

専務が口を濁します、「これって、社長が時々に税込契約したから…。」

現場の困りごとに、税金問題があった。

 

「消費税込みで…、契約します、と話しちゃって今までやってきたお客さんが多くて。

実際困ってますよ。最初3%だったから少しこっちで負担してもと思っていたけど、5%になり、8%になりでしょう。来年は10%って、1割だものね。どうしよう…」

 

新規契約をとりやすくする、社長の奥の手がこの「税込契約」でした。

期間限定で今契約すると、消費税分安くなる。

どうやら、これが社長の決め技です。

 

新規はとれても、放っておくと、税率が上がって、結果、税金負担は会社がかぶります。

そんなのはイヤです。

メリットは、お客様にも自分達の給与にもほしい!従業員は思っています。

 

“消費税導入前に“、何する?

そこで考えたのが、会員制の導入です。

まず、3%時代、5%時代、それぞれのお客様をグループ化しました。

契約時期が同じ顧客を、契約期間に応じた会員割引を持たせるグループです。

 

新しいサービスを加えて、「おまとめ料金サービス」を造りました。

新たなサービスがついているので、値段は上がっているのに、既存客の45%が、ご契約です。

 

新しいサービスと言っても、実は他のお客様で実施していて、好評なサービスです。

従業員にも、料金表がスッキリして、契約期間に応じた割引制度がわかり、好評です。

つまり、彼らも営業できる仕組みです。

 

“消費税導入前に“使いたいフレーズです。

使う時には、一工夫したいものですね。

 

PS.

なぜ、お客様がいなくなるか?従業員が止めるのか?それは、あなたが、関わらないからだって。奥さんと同じですよ、社長さん。