代表野口_黒バック 「今週の一言(いちげん)」第51話社長が、朝礼で絶対してはいけないこと、とは?

2月9日

「イイお話しなんですけどね。月曜の朝ってお客様も予定を決める時じゃないですか、そこで、長時間はね。結構興に乗ると長いんですよ、社長の体験談。その後担当同士のうち合わせでしょう。まずいですよね。

電話口で、おっ、社長元気だね、またあの話かい?なんて言われたりして、、、」

 

社長が、朝礼で絶対してはいけないことがあります。

従業員を、社長の過去の栄光に服従させる事です。

 

社長は、間違いなく仕事がデキるひとです。仕事と会社を誰よりも愛しています。

思わず、「こうやって、オレは成功してきたんだ。」と成功談を話してしまう、と、社員は下を向いて黙って聞くしかない、それが「服従」です。

 

社長の話は、本当にイイ話です。

社長や上司が、実際に経験したことが骨子ですから、現在のお客様や商品のこと、“なるほど”と思う話が多々あります。

 

しかし、これが20分を超えると「説教」になっていきます。

さらに、25分、下を向いていれば、「服従」の体制です。

やれやれ、30分となると、社員は左右に体を揺すって別なことを考えています。

 

社長のビジョンを伝える事は大変大切です。

ですが、伝え方を間違うと、社長のほしい状況とは全くかけ離れていきます。

 

さあ、社長がほしい状況をイメージしてみて下さい。

 

仕事は、お客様から売ってほしい、やって欲しいと問い合わせがたくさんくる。

 

従業員は優秀で、営業成績を上げつつ、周りの面倒もよく見ていくから、退職者がでない。また、部下も先輩を見習って育っている。笑顔がさわやか。

 

社内は清潔で、書類は必要な場所に誰でも分かるようスッキリと整えられている。

 

昨日の業績や報告事項が発表され、改善提案も同時に報告される。

 

社長のビジョンは、社内に浸透していて、朝礼では、社員が社長のビジョンに賛同して自分の目標をスピーチしている。

 

社長が、こうなってほしいと思う会社は、社長が掲げた夢の実現のために社員自らがやる気をもって進んでいく、力を合わせて進んでいく会社ではないだろうか?

利益を出して、規模拡大を進めていける会社ではないだろうか?

 

夢物語…と思うならば、そこで会社の成長は止まってしまう。

しかし、もし社長が10億20億と会社を成長させたいのであれば、すべきは、朝礼で自分の将来像と社長のビジョンを掛け合わせて話す社員を作る事だ。

 

朝礼ごときと思う無かれ、真実は、3分の中に十分現れてしまうのだ。

 

社長が 初めて訪問した会社を、思い起こしてほしい。

玄関から入り、社内を見回し、名前を名乗り、応対する社員の言葉使いを聞き名刺を差し出すたった3分のウチに、相手の会社のほとんどを見抜くはすだ。

 

3分3分と、なにも、短い時間が絶対条件ではなくて、朝礼の社長の話は、長くすれば長くなるほど効果が薄れるとお伝えしているのです。

 

もちろん最初にビジョンを伝えるときは、短時間では行えないはずです。

一対一のコミュニケーションをする必要があるでしょうし、社員自身の将来像をよく聞き、共感する・理解する過程が必要でしょう。

しかし、これは非公式の場で行った方が効果的です。

 

いわゆる呑みにケーションが、これ。

人の関係性は、効率では計ってはいけなくて、効果があるかどうかが尺度です。

 

効果的な時間の使い方・物事の伝え方がある、と言っているのです。

 

社長のありがたさが、耳慣れて次第に無くなってしまうことは、大問題です。

目が慣れてしまうと、相手の会社のよいところも悪いところも次第に見え無くなって、タダのルーチン営業になり、他業者から取引先を取られたと話で聞きます。

 

親の小言を聞き流す子供のように、社員を扱ってはいけないのです。

社長の暗黙のメッセージを読み取る社員を育てることが大事なのです。

 

社員には、社長の掲げる売上目標や評価制度がビジョンとどう関わっているか、自分の報酬はどう増やしていかなければならないか、自ら考えてもらわなければなりません。

 

となると、朝礼は、社長の訓辞ではなく、社員自らどうやって社長のヴィションに近づき自分の報酬を上げるかについてスピーチする場になります。

 

人は、自分の話を聞いてくれる人を大事にします。

つまり、社員は社長が自分の話を聞いてくれたから、社長を大切に思うのです。

 

社長は、ビジョンの作り方も一工夫する必要があります。

ビジョンは、数字を使った実現可能最大目標にする事です。

 

社員であっても、具体的に改善していこうとするのは、売上であり利益です。

社員にお客様購入単位の数字を教えていなければ、具体策にはなりません

社長のビジョンは、この数字を含んで作るのが鉄則です。

 

社員のあたまの中に、社長と同じ数字のかけ算が存在する用になるのは、普通の人で最低8回は同じ事を言う必要があります。

愉快でスピーチ大賞がとれるようなすばらしい話は、ここでは不要です。

同じ事を愚直に繰り返し伝える社長の会社が、実は伸びる会社です。

 

社長の成功体験は、社員から要望されたら、是非お話し下さい。

しかし、朝礼ではなくて非公式の時にまた、と伝えれば、社員はより一層社長をリスペクトするはずです。

社長の謙遜している心、会社を第一にしている姿が誠実だからです。