代表野口_黒バック 「今週の一言(いちげん)」第257話商品企画、その前にある重大ポイント

Fromノグチ

2ヶ月ほど前、お客様がちょっと相談と、いらっしゃいました。

ホームページから問い合わせがあったお客様についての話です。

 

「なんか終活に付き合わされているような感じなんです。」

料金を引下げ、相談案件を途中で切り上げてしまった経緯を、話し出しました。

 

ホームページからの依頼者は、退職後のシニア。

退職後シニアといっても魚の研究を続けている研究者です。魚の研究をホームページで発信するなんて面白い!と思い、2時間五万円で相談を受けたものの、途中で嫌になって、35000円で相談打ち切っちゃった、というのです。

 

なるほど、おいでになった相談者のホームページをみると、相談のための料金表が掲載されています。

相談料金表を設けた意図は、ホームページ制作を受託制作したあとのアフターフォローのはずでした。ところが、相談業務だけが検索で引っ掛かり、時間で料金を払うから教えてもらえる商品となってしまったようです。

 

「相談は?」

ご依頼の相談は、ホームページに載せる画像処理について

論文に掲載する画像の処理なぞ、分かりきった動作だから手慣れているホームページ制作者の所作は、必要な画像をピンポイントで切り取ります。

 

たった2時間では、やり方は教えられるけれど、ホームページに掲載できる画像にならない、習熟した切り取りにならない。

「だから、僕がやった方が早いのに、それを拒否するんですよ。」

 

(その人、どこか変なのかな?)

 

「質問するな!」

「そのボタン押して、っ言ったら、『なぜ?』って聞くんです。」

「今どき、みんな感性でパソコン・スマホに触りますよね。マニュアルなんて見ないですよね。みんな、物心ついた時からPCや携帯に触っているから、マニュアルなんて見ないですよ」

 

ホッホッホー、そうかー

な〜るほど、彼の頭の中は、彼ほどにできる人が、なおかつ相談しに来ると思っている。でも実際の見込み客は違う。PCのこともITのことも、本当はわからないことだらけ。

なんだか依頼者は私そのものだ、PCを感性なんかで使えない。

 

「あー、でもやめよう。僕は、シニアはダメだな。(笑)失敗しているんです。」

 

5年前に、僕が参加していた大手ソフト会社で、すごい人たちとシニア向け商品企画をしたのですが、ヒットしなかった。シニアは、手間が掛かってダメでしたよ。」

 

「でも待てよ、あの時、キーワードを“シニア”にしたんですね。

その年齢の人が“シニア”をキーワードにして検索なんかしないですよね。」

 

「聞け!」

たぶんこの人は、生身の人間に聞いていない。

ましてシニアになんか聞いていない。

それは確信できる。

 

たった1人でも生身の人に聞いてでた要望なら、その人には間違いないくヒットする。商品になる企画は、生身の一人に向かってできるものだ。

 

想像上のシニア、もしくは、自分に話しかけてくる嫌なシニアに向けて、自分の意言う通りのシニアになれと言っている。

お金の問題じゃない。

その前に、お客様から信用されなくなる。

 

 

―ノグチ

 

P.S.

お客様はとってもシビアなものです。自分を見下している、と感じたらもう

【信用できない人】の烙印がおされます。

人は、自分を見下している人の意向になんて沿いたくない、そう思うものです。

大事なのは、信用できる人物かどうか。お金はそのあとです。