代表野口_黒バック 「今週の一言(いちげん)」第278話毎年銀(2位)しかとれなかった理由

Fromノグチ

会計事務所時代、提案力コンテストに毎回入賞するものの金賞(一番)が取れなかった話です。

 

 

会計事務所のお客様に新たなサービスとして、事業提案書を提供しました。

上司は、大型コンピュータで作成された提案書を好みませんでした。

理由は簡単、難しい。

 

上司は、税理士です。

税理士だって読むのが難しい事業提案書など、中小企業の社長が読めるわけない。

(数字が読める経営者の皆様ごめんなさい)

 

コンピュータが不得意な上司は、操作している若手従業員に、

「この数字は、どこから来ているのか?」

と、お客様の前でも、平気で聞きます。

 

「先生、先生が全くわかっていないもの俺に押し売りしないでよ。」(笑)

とお客様から、ヤジが飛びます。

 

そこで上司は、簡単にわかる「ぺら一枚」(A4用紙一枚の)提案を作れ!と言い出しました。

年より(上司は高齢)向きに大きな字で、図にしてくれ、ごもっともな欲求です。

 

お客様から「こりゃいいわ~」と褒められた上司は、提案力コンテスト全国大会に参加しようと言い出しました。社内大会を開き、AB 2チームを選出する。勝ち抜いた2チームが参加するのだから、ウチが勝たないわけがない、と豪語です。

 

自負と評価

そう思って、参加するのですが、一年目は同位で銀、二年目は単独で銀、三年目も銀、、、

とにもかくにも、まったく金賞に手が届かない。

 

とうとう9年目。

その年の全国大会は、京都の大きなホテルで開催されました。

毎年 時流の事業・時流の経営者が、提案してほしいと名乗りを上げます。

今年はスポーツクラブの施設活用事例がテーマです。

 

発表直後、大きな会場から盛大な拍手をいただきました。

提案先社長さんからも「すぐ使えるね」と高評価の発言です。

 

…でも、やっぱり銀賞…

 

「何がダメ?」

ヒットを生む、タイミング&連携プレー

数年かかってようやく私も気づきだしました。

賞賛される提案とは、タイミング(今までと違う切り口を知りたいという期待)と説得力強化連係プレーの賜物なのだと。上司は、まったく商品を作らないし、新たなソフトや税法も全く使えない。しかし、上司は私のやることにいちいち批評を加えました。思うに、彼の提案に基づいて私が加えた変更で、お客様が強く納得できる提案書になったということです。

 

アイデアで重要なのは、「どうすればもっと良くなるだろうか?」です。

数えるべきは、気に入った人の数なのです。

私が気に入ったから間違なくヒットする、ことはありません。

上司の気に入らない部分が減って、気に入るようになれば、それだけ気に入った人の数が増えます。

 

―ノグチ

 

 

P.S.

「社長がそう言うなら、、」「あなたがそう言うなら、、」と答えが返ってくる会議をしていると、それは危ないかもしれません。絶えず成長したいですものね。アイデアをよりよくするのが会議の目的。独断だけでは、お気に入りの数を増やすことはできません。