代表野口_黒バック 「今週の一言(いちげん)」第159話従業員は“強い社長が好き”だ。

 

「ちょっと待って、電話だ。『…そうか、教えてくれてありがとう』ウン、従業員が教えてくれるんだよ。ちょっと経費削減できる方法をね。不思議にあーしろ、コーしろ止めたら、こんな風に自分の考えを教えてくれるようになったんですよ。

前は、どうしてもおかしな事をする奴に怒鳴っていた。でも分かったんだ。いくら怒鳴っても手を挙げても人は変えられない。それどころか離れて行く人手が足らなくなるだけだってね。」

 

 

幹部社員同士の意地の張り合いに、つい頭に来て会議で怒鳴った。

従業員の指導が乱暴だ!と幹部を怒鳴って、結局俺が悪い見本を見せている。

それでも、部下を怒らないではいられない。

 

会社をよくしたい。

だから怒鳴ったが、その夜は寝られない。

とうとう、一晩酒を飲んでも寝られず、翌朝、嫌な気分で会社に向かう。

 

会社の門の前に、昨日怒鳴った幹部が二人直立不動で立っている。

イヤだ!…でも逃げるわけには行かない。

ところが二人の幹部は満面の笑顔で社長に走り寄り、「ありがとうございました!!」

 

「俺の従業員は、俺の言うことをよく聴いてくれるよ。

お前達は確かに幹部だ。よく働いてる、よく儲けてくれる。

でもね、俺の言うことを聞く従業員がお前らの言うことを聞かないとしたら、それはお前らが、自分の事だけを考えた言葉になっているからだ!」

 

社長に図星を言われた、と分かった幹部は仲違いをしていたもう一人の幹部に頭を下げてこういった。

「社長の言うとおりだ。社長の目標に向かって僕はココにいたい。だから先輩と同志になりたい。」

 

社長は、照れて言った。

「なんだか恥ずかしいね~、ちょっと見回ってくるね~」

 

社長の存在を特別にする秘訣

その日から、社長は会社に朝から晩までいたのを止めました。

もちろん社長出席の会議や所定の会合、報告は受けますが、時間を決めたのです。

 

これは本当に社長に伝えなければいけない事か?

ポイントをまとめて、簡潔に伝えるにはどうまとめるか?

社長が発しそうな質問について事前に用意が必要だ。

 

今までは、とにかく何でもかんでも「社長に言った?」が事務所の挨拶。

社長に報告さえしておけば、自分達には責任がない。

それぞれ専務だとか営業部長だとか役割があるのに、やっていることは「社長に言った?」

 

「何でも俺に聞いてくれ!と思っていたんですよ。少し前まではね。

でもね、何でこんな事も俺に聞くんだ!という話しが多くなって、これじゃ俺が社長なんだか小遣いさんなんだか分からなくなっていたんです。」

 

これじゃ、俺が真のリーダーになれない。

幹部もそれぞれリーダーになっていない。

それじゃ平従業員は、誰に頼って、仕事をして行けばいいのか分から無くなってる。

 

社長と従業員のフラットな関係は、不満足を生む。

会社であっても、非営利団体であっても、組織は自然にピラミッド型の階級組織になっていきます。それが、人間の自然な組織形態です。

 

言われたことを着実にこなすけれど、責任をとりたくない、と思う人が多勢います。

仕事で成果を出して、できるだけ報酬がほしい、だけど、過剰な責任はとりたくない。

だから力のあるリーダーについていく優秀な人達がいます。

 

皆が皆、社長になりたい!ワケではありません。

社員にとってもお客様にとっても、強い存在で商品の価値を伝えてくれる人が、必要なのです。そういう人を頼りにしたいのです。それが、社長です。

 

 

“強い存在感”は、作り出すものです。

“頼られる” “信頼される” “この人についていきたいと思わせる”

これを作るのは、社長自身の振るまいかたにあるのです。

 

 

PS.

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