代表野口_黒バック 「今週の一言(いちげん)」第110話ただ一つ本物のビジネスチャンスを生かす経営者の法則

「もう一つお金を入れる口が、欲しくなるんですよ、お客様は。だから、そのお金を入れる口を造ろうと思ったんです。

先生の言っている本業ではないから、ちょっと叱られそうで、、、、。」

 

社長さんは、顔を赤らめて、新しい商品や、商品棚を説明してくださいました。

「昔、この店舗でゲームセンターをしていたんです。その業者が来ましてね、提案してくれました。彼が、お金を入れる口をもっと持つといいですよねと。」

 

製造卸売りから小売りへ、ビジネスモデルを変える事で、利益構造を改善しました。

製造卸売り時代、粗利率は30%をなかなか越せない業態でした。

製造小売りのビジネスモデルへ業態を変更し、粗利率を72%へ改善しました。

 

粗利率改善で、たった一年で、粗利益は2倍になりました。

おかげで、ビジネスモデル変更にかかる初期投資を2年で回収できました。

 

さて、次のステップ、多店舗化に進む事業計画を立てましょうと話したまま数ヶ月。

店舗を探しているが、見つからないと、いう連絡が続きました。

 

しばらくして、グッズの販売を開始したから、と連絡が入りました。

社長さんは、新たな商品開発を始めたと言うのです。

 

伺うと、棚には「かわいい」グッズ販売のボックスが、ならんでいます。

社長が自分でデザインしたTシャツや、根付けなどの小間物が買える仕組みです。

新たに、これらの小物を販売するボックスが取り付けられていました。

 

「もともと、ゲームセンターを営業していたので、この店舗のお客様は、ゲーム性のある販売方法に興味があると思うんです。

昔、ゲーム機を入れてくれた業者が尋ねてきて、この機械を導入してくれました。」

 

「製造販売のウチの製品は、日持ちしないけど、このグッズ類は、腐らないから。

それに、すこし量を増やさないと、原価が下がらないので、まとめて発注しました。」

 

「評判いいんじゃないですか?かわいいしね。」

「ええ、ありがとうございます。評判はいいですね、売上があがりました。

ですが、会計事務所は、ボクの給料を上げる資金がないと言うんです。」

 

店舗の営業が軌道に乗って、大きく利益を出していると評判になると、いろいろな儲け話が飛び込んで来るものです。

従前のゲーム機販売の業者もしかり、グッズの業者もしかりです。

 

社長さんは、何とか儲けを出して、先代からの借入金を綺麗にしたいと思いました。

新たなお金の入り口を増やせば、店舗を増やして家賃経費を心配せずに、利益はだせる、と考えました。

 

そこで、ゲーム機業者のお薦めに、耳を傾けました。

腐らない新たな商品を開発すれば、廃棄損はでない、もっと儲かるハズです。

 

早速、思いついたのは、Tシャツの販売です。

 

お客様とも仲間のように話せる関係を造りたい。

皆で一緒のチームになるには、おそろいのTシャツが格好のアイテムです。

 

デザイン・色・素材の品質、検討する課題は膨大でした。

発注先も、検討して、評判の良い業者を選びます。

さらに、販売方法は?とゲーム機業者から、販売機の紹介を受けました。

 

小さな根付けやシールなども、検討し始めるとドンドン時間をとられます。

 

新しい商品を作ろう

新しい販売方法を導入しよう

新しい従業員を雇おう

新しいツイッターアカウントを造ろう

新しく……

 

一気に事を成し遂げようと、一生懸命に進んできました。

何のために?

 

家族の生活を豊にしてやりたい。

娘と息子の教育資金を、出してやりたい。

借金の返済に苦労している女房にも楽をさせてあげたい。

 

家族を守るには、給与を上げることだ。

だから頑張って売上を上げたのに、給与を上げるにも資金がないとはどうして?

なぜ、売れたのに、儲からないのか?

 

同じことが、超大手、東芝でも起きています。

平成283月期の売上が51448億円、もあったのに、営業損失は、4830億円の赤字でした。

平成303月期は、売上が39000億円と2年前より大幅に減少しているものの、利益を出す予定であると発表しています。

 

事業は、利益を出す!と決めて取り組まないかぎり、利益は出ない体質になります。

社長さんは、売上を上げたい!と取り組み、売上が上がりました。

しかし、利益率の低い商品に一生懸命に取り組んでも、利益は出ないのです。

 

どこに“フォーカス”するか。

 

中小企業が一番失敗する原因を、社長さんは 聞いたことがあると思います。

 

“失敗の一番の原因は、一度にたくさんの事に手を出しすぎる事にある”

 

大事なことは、今うまくいっている事に注目する、です。

お客様に一番役に立っている自社の商品に、注目です。

その商品を使うお客様の一番大きな喜びの声に、注目です。

 

当社のお客様に一番役に立っている商品とは、当社に一番利益をもたらしている商品です。

当社に利益をもたらす当社の一番商品を使い続ける、我が社の超お得意様が喜ぶ理由、それこそが、当社の成功ストーリーです。

 

儲かるアイデアやチャンスをたくさん手にする経営者が、なぜ皆成功しないのか?

それは、一気にたくさんの事をしようとするからです。

 

自社の「一番づくり」にフォーカスする。

自社の「一番づくり」にフォーカスするから、「一番づくり」社長さんは、手元資金が増えていきます。

 

社長さん、あなたの一番を大きく成長させませんか?

 

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